フジテレビ系連続ドラマ「家族のうた」とは
「家族のうた」とはフジテレビ系で2012年の4月15日から同年の6月3日の間、放送されていたドラマになります。
毎週日曜日の21 時から21時54分のドラマチック・サンデー 枠で放送されており、オダギリジョーさんが、フジテレビ系ドラマでの初単独主演を果たした作品です。さらに当時15歳だった杉咲花さんや、貫地谷しほりさん、ユースケ・サンタマリアさんなど豪華キャストが出演しています。
「家族のうた」のストーリー
かつて大人気だったロックバンド・under cloudのボーカルとして、抱かれたい男No.1に選ばれたこともあった早川正義。しかしメンバーとの仲たがいでバンドを解散した後はソロ活動も鳴かず飛ばずで、仕事は減って行く一方です。その日暮らしをしていた正義の元に、ある日、彼の子供だと名乗る子供たちが現れます。
「家族のうた」各話のあらすじとネタバレ
第1話「自業自得」
ロッカー・正義(オダギリ ジョー)と”家族”との絆を描く。超人気バンドのボーカルだった正義はバンド解散後のソロ活動で転落。そんな正義をマネジャー・三木(ユースケ・サンタマリア)は支え続け、再起を願っていた。そんな中、正義の前に「あなたの娘です」と名乗る美月(大森絢音)とその弟・陸(藤本哉汰)が現れる。
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自分を貫こうという信念があるのはいいのですが、夢ばかり見て周りが見えず、現実が分かっていない正義。そんな彼が、突然目の前に現れた子供たちとどうかかわって行くのか興味津々です。頑固すぎて成長が止まってしまったような正義は、父親になることで変わっていくことができるのでしょうか。オダギリジョーさんはとても格好良く、子供たちも可愛くて演技が上手でした。中学生のこころを演じる杉咲花さんもとても美少女です。藤竜也さんが演じるおじいさんがどこか謎めいていて、何者なのか気になります。
第2話「我慢すると心が腐るんだよ!」
正義(オダギリ ジョー)の前に新たに娘と名乗るこころ(杉咲花)と謎の男・秀蔵(藤竜也)が押し掛けて来て、同居を迫る。困惑する中、さらに事務所と給料にまつわる契約変更が発生。経済的にピンチに陥った正義は、三木(ユースケ・サンタマリア)が持ってきた動物園のCMソングの仕事を渋々引き受けることに。
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やりたい放題の正義は、大人なのに大きな子供みたいです。でもそんな風に自分に嘘をつかない彼だから、子供なのに大人ぶろうとするこころから本音を引き出せたのでしょうか。正義の子供がさらにもう一人増えてしまいましたが、母親に放っておかれながらも見捨てられなかったこころが、正義といることを選んだのは良かったです。こころの作った曲で、正義も事務所をクビにならずにすんでホッとしました。それにしても、正義のマネージャーの三木は本当にいい人ですね。
第3話「歌えない僕の気持ちが解る?」
正義(オダギリ ジョー)は、音楽のネット配信を手掛ける水上を訪ね、7年ぶりのCDリリースを目指すことに。早速曲作りを始めようとするが、陸(藤本哉汰)の担任・笹垣から連絡を受ける。陸が歌の練習をさぼっていると聞いた正義だが、「そんなことでいちいち呼び出すな」と腹を立てる。
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正義は本当に自分勝手で甘ちゃんなダメ男ですが、どこか憎めないところがあります。そんな彼に、子供たちの方が影響されていくという展開も面白いです。今回は、子供たちにとって学校で起こることは人生そのもののような一大事だという秀じいの話が心に残りました。それが理解できたのか、子供嫌いな正義が陸の授業参観を見に行ったのも良かったです。ちゃんと自分の問題に決着をつけた陸も立派でした。それにしても「手のひらを太陽に」ロックバージョンは斬新でした。
第4話「お祭で告白 届けたい想い…」
正義(オダギリ ジョー)は、花村(ムロツヨシ)の頼みで、町内会の祭りのテーマソングを作ることになる。出来上がった曲を町内会のメンバーに披露するも、作り直しを命じられ不機嫌に。一方、こころ(杉咲花)は、美月(大森絢音)が同級生に片思いをしていると知り、力になろうと考える。
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これまでの子供たちの話から正義が物語の中心となってきて、とても興味深いです。正義に影響された子供たちはだんだんいい方に変わっていき、彼の言葉も子供たちにきちんと届いています。一方で正義の方は自分が自分で無くなるのを恐れ、人の言葉や気持ちを頑なに受け入れようとしないのがもどかしいです。この先、彼の心がどのように変化していくのかを見守りたいと思いました。毎回、豪華なミュージシャンがゲストとして登場するこのドラマですが、今回はちらっと浅井健一さんが出ていて驚きました。
第5話「家族の前で初めての父親宣言」
木(ユースケ・サンタマリア)が1週間不在になり、新人の明石が正義(オダギリ ジョー)の担当をすることに。明石は新しいラジオの仕事を取ってくるが、”パパタレント”としての仕事と知って正義は現場から逃げ出してしまう。一方、こころ(杉咲花)は、学校の友達から正義に会いたいと頼まれ、困惑する。
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自分にとって一番大事なものと自分自身を見つめなおし、友達にきちんと想いを伝えることができたこころが立派でした。その一方で、正義は相変わらず自分自身を見つめることから逃げているようです。マイペースで自分勝手で、何があっても自分の筋を曲げない正義。変わり者だけど魅力あるキャラクターですが、ほとんどの周りの人たちからはダメ人間扱いなのが気の毒です。今回は、秀じいがそんな彼の味方をしてくれてホッとしました。
第6話「今夜、娘のために走ります!」
こころ(杉咲花)の母・倫子(中村ゆり)が、正義(オダギリ ジョー)の家を訪問。倫子は、こころは正義の子供ではないと告げ、こころは倫子の元に戻ることに。その後も美月(大森絢音)らはこころに会おうとするが、精神的に不安定な倫子を支えるため、こころはみんなと会わないと決める。
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こころを引き取りに来た母親の勝手な言い分に腹が立ちました。しかもこころが正義の子だというのが嘘だったなんてひどすぎます。それでも、黙って荷物をまとめて出て行くこころが切ないです。みんなが寂しがる中でひとり平気そうな顔をしていた正義ですが、本心は違ったのですね。子供嫌いで自分勝手だった正義が、こころのために大事なギターを放ってまで駆けつけた場面には、胸を打たれました。彼のこれまでを思うと、とても感慨深いです。正義の行動は、こころにとってこの先も支えになるに違いありません。
第7話「誰かの為に頑張るのもロック」
正義(オダギリ ジョー)の唯一の仕事であるラジオ番組が終了することに。三木(ユースケ・サンタマリア)は、正義の今後を考え奔走するが、無理がたたり過労で倒れてしまう。そのことを知った正義は、三木が自分のために尽くしてくれていたことを痛感。一方、秀蔵(藤竜也)が正義に近づいた理由が明らかになる。
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今回は正義のマネージャー・三木がメインの回でした。正義のためにあそこまで尽くしてくれる三木は本当に立派です。そして彼がなぜそこまで正義に入れ込むのかが明らかになり、その信念にグッと来ました。一人で生きてきたつもりの正義も、周りに支えられていたこと、周りから愛情をもらっていたことに気づいたようです。正義の父親なのでは?という疑惑があった秀じいですが、違ったようです。彼の過去や、息子への想いが心を打ちました。
最終話「不器用な父親が唄う愛の歌」
事務所を辞めた正義(オダギリ ジョー)は、社宅だった家を出てアパートを借りることに。三木(ユースケ・サンタマリア)の力を借りず、一人で営業活動を行うが、なかなかうまくいかない。そんな中、美月(大森絢音)は、こころ(杉咲花)の母・倫子(中村ゆり)が、弁当店で真面目に働いている姿を目撃する。
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事務所を辞めてしまった正義でしたが、またすぐに三木と再会できてよかったです。家族のように絆を深めていた正義と子供たち、そして秀じい。しかし秀じいは息子に会いに行き、こころも真面目に働き出した母親と一緒に暮らすなど、最後は別々の道を歩くことになりました。自分の力で歌を売り込むことにした正義も、先は長いでしょうが頑張ってほしいです。そしてドラマの主題歌である「月光」のオダギリジョーさんバージョンが素晴らしく、心に残りました。綺麗にまとまった最終回で良かったです。
【家族のうた】の登場人物&キャスト紹介
早川 正義(オダギリジョー)
かつてヒット曲を連発したロックバンドunder cloudでボーカルとギターをつとめ、絶大な人気を誇った。当時は調子に乗っており、女性関係も乱れていた。メンバーとの喧嘩によってバンドが解散した後はソロ活動をしているが失敗続きで、事務所の給料でなんとか食いつないでいる。人に干渉されるのを嫌う、マイペースな性格である。
大澤 こころ(杉咲花)
中学2年生。正義の前に娘だと言って現れる。だらしない母親にたびたび裏切られながらも支えてきたが、彼女が男と失踪してしまったため、仕方なく正義と暮らすことにする。年齢の割に大人びていて冷静な性格。人に弱みを見せることが苦手。
松野 美月(大森絢音)
小学6年生。正義の血のつながった娘。母親を事故で亡くし、義父もすでに亡くなっている。親戚に預けられたが上手く行かず、陸と共に正義の元にやってきた。陸とは父親が違うが、仲のいい姉弟。思ったことを我慢できずに言ってしまう性格で、おしゃれに興味がある。
松野 陸(藤本哉汰)
小学2年生。美月の義父に当たる、母親の結婚相手の男性との子供で、正義とは血のつながりがない。気が弱いが、とても心優しい性格。父親の違う姉の美月を慕い、頼っている。正義に影響を受け、彼に懐くようになる。
東海林 秀蔵(藤竜也)
一人暮らしをしている老人。こころと公園で知り合い仲良くなり、彼女の母親が失踪したことを知った。父親に会いたがっているこころのために正義のことを調べ、二人を会わせる。なぜかそのまま、こころと一緒に正義の家に住むことになる。
三木 康佑(ユースケ・サンタマリア)
正義のマネージャーで、彼がunder cloudにいたころから担当している。正義をライブハウスで発掘し、スカウトした人物。正義の態度に腹を立てながらも、その才能を信じ続けている。仕事が上手く行かない正義が事務所に首を切られずにいるのも、彼が社長にかけあってくれているおかげである。
青田 洋子(貫地谷しほり)
正義の公式サイトやイベントでの写真を担当している、実力派のカメラマン。インテリアの撮影の仕事をしているが、本当は人物写真を撮りたいと考えている。正義とは昔からのつきあいで、ずっと想いを寄せているが、気づいてもらえない。
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